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2010年09月08日
今日は恵みの雨でした。 カラカラにひび割れした畑が少し潤って生き返ったようです。 こちらもお掃除に専念。少し気合を入れました。 そして久しぶりに読書。気温が下がるとオーバーヒートしていた頭が少し動き出しました。 古い本を取り出しました。知の巨人「立花隆」。 彼は病と闘っているようですが、快方へ向かっているのでしょうか? 回復を切に願います。 この本は四十年ほど前に書かれた本です。この手の本は四十年もたつと古ぼけて読むに値しないものが多い中で、いまなおその内容は有効性を失うどころか重要度をさらに増している希少な本です。 さて、この本のプロローグに、次のようなクイズがあります。 〔問〕 次の人物のうち、生態学的なものの見方を身につけていると思われる人物に〇印をつけよ。 ① 佐藤栄作 ② 糸川英夫 ③ 若杉未雪(元・三井物産社長) ④ 十返舎一九 ⑤ 田村魚菜 ⑥ 毛沢東 ⑦ カポネ ⑧ ワーグナー ⑨ レオンチェフ ⑩ ドストエフスキー さて、正解は判りますか? 難しいですね。 実は、全員"それぞれの分野において"という留保付きで〇なのです。 立花は、それぞれについてその理由となる生態学的思考について述べています。(内容は割愛します) このところ、若者の「原点回帰」(自然状態に帰る)の傾向に着目しています。 端的に言えば、既存の価値の崩壊。(カウンター・カルチャーではなくもっと深化した) 生態学の主要な概念の一つに「遷移」というのがあるらしいのですが、これは「平家物語」の諸行無常そのもので、生物は繁栄するとその生物の繁栄自体が別の環境を作り出し、それは結局別の生物の繁栄の条件になってしまい、遷移は次の段階へと進みだす。つまり、「繁栄は凋落の条件」ということです。 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ 自然界では、そのに時代に最も栄えているものは、常にその次の時代に栄えるもののための土壌を用意していることになります。 後半に書かれている「倫理のエコロジー」は本当に傾聴に値する文です。 自然界における善悪は、人間にとっての狭い座標軸の中での善悪はなく、たとえば害虫が必ずしも悪ではなく、巨視的に見れば害虫も人間の役に立っている、つまり自然の中には善も悪もないということです。 この点を、人間は尊大になり忘れがちなのです。 そのような人間であることを自覚した上で、なおかつ次のセナンクゥール言葉を書いておきたいと思う。 人間は滅び得るものだ。そうかもしれない。 しかし、抵抗しながら滅びようではないか? そして、もし虚無が我々のために保留されてあるとしても、 それが正しいというようなことにはならないようにしよう。 農業に携わることで、地球が危機に瀕しかけていることを益々実感しています。 先の若者の「原点回帰」は、彼らの嗅覚が生物の「遷移」を肌で感じとっているように思えてなりません。 それは、暗い世の中の一すじの光明のように思っています。
by culon
| 2010-09-08 23:08
| 晴耕雨読
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